• 岐阜県揖斐郡池田町。山のふもとの小さな町。のどかな日常。

    山から降りてくる恵みの水。さらさら。

    じぃちゃんばぁちゃんの野菜や果物。

    若手農家さんの新しいアイデアやこだわり。

    田舎から、そのままのカタチで、全国に届けたい。

瑞草園

百三十五年続く"美濃いび茶"
味と香りを伝え継ぐ親子茶師

池田町は岐阜県を代表するお茶の産地。
その"美濃いび茶"の礎を築き、明治14年創業以来、
百有余年にわたり製茶加工・販売を営むのが、今回ご紹介する瑞草園さんです。
4代目である五十川源左衛門さんとそのご子息・庸司(ようじ)さんから
多くの日本人を魅了し続ける日本茶について、
その味を守る技とこだわりについてお聞きしました。




かつては「製茶模範伝習所」として各地から製茶を学びに来る場所でもあった瑞草園。第二次世界大戦後、世の中の状況が一変、商売団体も衰退気味となった(揖斐の茶畑が桑畑に変わり、商売自体も衰退)。そんな折、現4代目の源左衛門さんが食品会社の職を辞して継ぐことに。製茶加工・卸専業として再出発した瑞草園は、多くの苦難を乗り越え、今では多くの大手スーパーと直取引をし、従業員20名を要する所帯に再興した。

ここだけの味にこだわり続ける。

創業時代、静岡や京都などに比べて知名度の低かった池田のお茶。
初代源左衛門さんは全国を奔走し、各地の品評会へ出店したり、今でいうDMのはしりである往復はがきの宣伝文を全国へ送るなどして、いび茶の流通基盤を全国へ拡大させました。
同時に、揖斐茶業組合の設立や製茶模範伝習所を引き受けるなど品質向上にも尽力し、茶樹の栽培や製造、乾燥、貯蔵の技術を追求・伝播していったそうです。
そのこだわりは、今に息づいています。


庸司さん
元々全国から茶葉を集めて製茶して、独自の生産技術によって瑞草園のお茶として販売しています。茶葉は産地によって随分味が変わります。池田町内でも川一本挟むと違うくらいですから。そして勿論、気候に左右されるので毎年微妙な違いもでます。それらを組み合わせるので、ひとつとして同じものはできません。販売するお茶だけで100種類ほどあります。

源左衛門さん
茶葉の目利きができないと、製茶はできないんですよ。瑞草園のお茶は私が決める味。香りは確かに違いますよ、大量生産して全国似たようなものになっているお茶とは一線を画す味にはなっているはずです。毎年5月くらいは1日に何杯もお茶を飲むから、いつも胃腸が弱くなります(笑)。味を表現するには、経験も、体調管理も、大事なんです。
庸司さん
古くから六ツ之井という品名で代々伝わるお茶があります。1824年には、献上した京都西本願寺の法王から和歌とともに礼状がきたようなものです。このお茶は、気に入った合組みができないと販売しません。

品質の原点は茶葉、そして何より、瑞草園が誇る生産技術。
特に「火入れ(乾燥)」と「合組み(ブレンド)」の工程が
瑞草園のお茶の味を出す職人の技なのです。


色、つや、重さでお茶の力を見極める。

お茶は太陽の陽の下で見極めるべし。
毎年4月初旬の初競りの頃、1年のお茶を決める大事な時期です。
茶葉の見極めが、茶師の技。
ここが最も経験と度胸がいる作業だと言います。

庸司さん
毎年4月の初競りで茶葉を仕入れますが、仕入れの時点で調合の目星をつけるんです。原料を見て、肥料がしっかり回っている茶葉かどうか、お茶の力を見極める。その上で、これとあれを6:4の割合で、どのくらいの火加減で火入れして、と調合を決めます。うちでは社長(源左衛門さん)が行う作業です。だからうちならではのお茶の味に仕上がる。
源左衛門さん
茶葉によって、火の加減も変えますし、それには経験が必要です。"請うて教えを願う"と言いますが、まさに技を盗んで腕をつけるしかありません。火入れの調整などひと通り機械を扱えるようになるのが、やる気のある人で3年はかかるんじゃないかな。
庸司さん
ひとつひとつの茶葉から仕上がりをイメージする。この技術を僕が継承していかなければならないので、やりながらいつも勉強ですね。

製茶業をやるには、茶の世界で生きる覚悟がいる、と 源左衛門さんは言います。
その覚悟が、仕事を成長させると。 父・源左衛門さんの茶師の経験と勘を、息子・庸司さんは 最も近くで盗み、体に刻み込んでいくのです。

100年先も続く"信用"。その品質を守るために

河村さんは、10年ほど前より趣味で紅茶作りにも取り組んでいます。
最初は興味本位で始めたものだったが、研究熱心な河村さんの紅茶は、口当たりがよく、飲みやすい逸品と評判を集め、数年前より、地元の方を中心に徐々に工場に買い求めにくる人が増え始めている。

源左衛門さん
私が考えているのは常に100年先までどう続けるか。継続するってことなんですね。そのためにも何より大事なのが"商品の信用"なんです。つまり、品質です。品質の根幹にあるのが茶葉ですね。茶葉の栽培は農家さんにお任せしていますから、農家さんにいかにいいお茶を作っていただくか。私たち製茶業者がそれを品定めするわけですが、農家さんから適正価格で買い取るためにも、お互いがどう歩み寄るかが重要で、かつ最も難しいところなんです。私たちの経営努力、農家さんたちの努力、それはもちろん大切なんですが、今の時代それだけでは継続が難しい。町ぐるみで地域の農産業を支える必要があるんです。今回、この池田町のネット販売に出店したのも、池田町全体で支えて農家の人がいいものを作れるように、そして産業が盛り上がるように、こうした想いが大きいです。
庸司さん
私たちは一昨年道の駅池田温泉に初の直営店を出しました。町内の和菓子店と共同開発した大福やアイスクリームを販売して、少しでも池田のお茶の美味しさを全国に発信できたらと思っています。これまでの商圏はもちろん、インターネットを使いながら有機栽培茶など健康志向の若い世代を取り込むなど、新たな道を開拓したいという想いもあります。
 
私たちは一昨年道の駅池田温泉に初の直営店を出しました。町内の和菓子店と共同開発した大福やアイスクリームを販売して、少しでも池田のお茶の美味しさを全国に発信できたらと思っています。これまでの商圏はもちろん、インターネットを使いながら有機栽培茶など健康志向の若い世代を取り込むなど、新たな道を開拓したいという想いもあります。

4代目の今、経営者の眼差しにあるのは、やはり品質向上という原点。
さらに自社の商売だけではない町ぐるみの創生というビジョンです。
その想いは5代目となる庸司さんにもしっかり受け継がれています。
百有余年続く、親子のお茶。
ここでしか味わえない深みのある一品です。

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