• 岐阜県揖斐郡池田町。山のふもとの小さな町。のどかな日常。

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山三製茶


美濃いび茶を使った「和紅茶」。
優しく滋味深い味わいに、ほっこり。

ここ数年、注目が高まりつつあるある「和紅茶」。
日本茶系の品種を使って製造される純国産紅茶は、外国産のものに比べてやさしい味で、和食や和菓子にもピッタリだと、幅広い世代から人気を集めている。
池田町でも美濃いび茶を使った「和紅茶」作りに取り組む茶農家さんが増えつつあります。
山三製茶の河村さんも約10年前より「和紅茶」作りに励んでいらっしゃる1人。そこで今回、河村さんの工場にお伺いし、茶葉の栽培や紅茶作りのこだわりなど、その魅力について色々お伺いしてきました!


 
美濃いび茶製造問屋 山三製茶 河村三成さん。
新芽が生えそろってきた茶畑の前で。河村さんは、祖父の代から続く茶農家&茶製造問屋の3代目。


池田山山麓は、おいしい茶葉が育つ絶好の茶畑!

池田山山麓に広がるお茶畑。この辺りのお茶は「美濃いび茶」として知られ、室町時代からの長い歴史を持っている。江戸時代には幕府お墨付きの「江戸幕府御用番茶」を申し付けられたとも言われています。
山三製茶の河村さんは、そんな土地で茶農家を営む3代目。23,000平米の茶畑を日夜管理され、「美濃いび茶」独特の、まろやかで独特の深い味わいと香りのお茶を作られています。

Q:
池田町の茶畑の特徴はどういったところにあるのでしょうか。
河村さん
池田山山麓の傾斜地にあるので、水はけが良く、気流の流れがいいということが一つ目のメリットかな。お茶にとって、霜は大敵なんやけど、こういった条件は霜を防いでくれる。二つ目のメリットは、この辺りの茶畑はほとんどが東向き斜面だということ。朝日が早く当たり、西日が当たらないという日照条件なので、当然、霜が付きにくいし、これは持論やけど、そういった条件は葉肉を厚く育ててくれ、香り高い茶葉になると思っています。

荒茶加工は、一葉入魂の作業!

Q:
生茶から荒茶への加工されているんですよね?
河村さん
自社を含めて、近隣3戸の茶農家で運営する美濃西部製茶組合という共同工場があって、そこに摘んだ茶の芽を運んで荒茶への加工を行っています。
Q:
荒茶加工で特に気を遣われているポイントを教えてもらえますか?
河村さん
茶の芽の特徴を見極めて、それぞれの茶の芽に合った蒸し加減を調節するところには特に気を遣っていますね。いろんな農家さんが工場に摘んだ茶の芽を持ち込んでくれるんやけど、摘んだ場所によって茶の芽の長さってちょっとずつ違うんですよ。「蒸し落ち」といって、蒸している最中に機械から水がぽたぽた落ちてくるんやけど、茶の芽によって水の落ちる量が違うんですよ。それを見ながら、蒸しの度合い、機械の回転数、バネ圧というものを調整していきます。

また、摘んできた茶の芽は時間を置けば置くほど、茶葉の酵素による発酵が進んで、萎凋香と言われる香が発生するんですよ。なので、茶の芽はなるべく早く作業場に持ってきて、生芽管理装置といって、ミスとの風を送り生葉の鮮度維持を保つ装置に入れるようにしています。その日中に加工を終わらせたいので、ハイシーズンになれば、工場24時間稼働ですよ。徹夜をしてでも、なるべく早く荒茶加工を終わらせてしまいたいですからね。

 

香り付けにも細かい心配り

共同工場で荒茶加工された茶葉は、山三製茶の工場に持ち込まれ、香付けの「火入れ」が行われます。最近は、味だけでなく、香りを楽しみに"鼻で飲む"人も多いという緑茶。
河村さんは、茶葉ごとの特性を見極めながら、「火入れ」の際も細かい気配り目配りを最後まで怠りません。

Q:
お茶に付加価値を付けるのが「火入れ」作業と考えてよろしいでしょうか。
河村さん
そうですね。やっぱりお茶問屋の個性が発揮されるのが「火入れ」作業なんじゃないですかね。うちの特徴は、比較的香りの強いお茶に仕上げていくところかな。もちろんお茶の品種にもよります。新茶のうちは「火入れ」によって出る火香りも生茶本来の鮮度香を楽しんでもらいたいので、あまり強い火入れはしないけど、それ以外は、滋味を強調した飽きの来ないコクのある味に仕上げるために、しっかりした香りを出すようにしています。

 

紅茶作りに活路を見出す

河村さんは、10年ほど前より趣味で紅茶作りにも取り組んでいます。
最初は興味本位で始めたものだったが、研究熱心な河村さんの紅茶は、口当たりがよく、飲みやすい逸品と評判を集め、数年前より、地元の方を中心に徐々に工場に買い求めにくる人が増え始めている。

Q:
なぜ紅茶作りに挑戦してみようと思われたのですか。
河村さん
昔から色んな事に幅広く手を出すのが好きなんですよね。紅茶というと一見西洋のもので、緑茶とは全く違うもののように思われる方も多いんやけど、実は同じ茶葉で作れるんですよね。うちの茶園で育ったものでも作れる。「だったらちょっと作ってみようかな」そんな軽い気持ちで作り始めたんですよ。そしたらこれが案外面白くてハマってしまったんですよね(笑)
Q:
紅茶の作り方は煎茶とどう違うのでしょうか?
河村さん
煎茶は萎凋香を防ぐため、できるだけ早く加工するって言ったじゃないですか。でも紅茶は逆で、萎凋香を大事にするものなんです。茶の芽を摘んで持ってきたら、まずは、水分を抜くために広げて1日置き、萎れさせます。そうすると、独特の香りが出てくるので、そうなったら次は、揉捻機に入れて揉んでいきます。揉んだ茶葉は発酵が始まるので、茶葉が褐色に変化するまで発酵させます。全発酵させたのが紅茶です。
Q:
煎茶とは全く違うので、紅茶作りには苦労が多かったのではないですか?
河村さん
紅茶作りのノウハウを持っていたわけではないので、やり始めたはいいけど、手さぐり状態が続いていました。紅茶って発酵の加減がポイントで、香り高くキレいな色の紅茶にするための発酵に近づけるのには5~6年かかりました。発酵には25~30度の温度と100%に近い湿度にすることが重要なので、自分が持っているハイエースの中で暖房を入れてやってみたり、静岡県で紅茶生産の第一人者の方が開いた講習会に参加したりして、様々な試行錯誤を重ねましたよ。そうしているうちに、だんだん味が整ってきて、地元の方を中心に「これ美味しいね」と評価がもらえるようになってきたんです。
 

ストレートでも飲める、ほんのり甘い紅茶

Q:
こちらで販売されている紅茶の味の特徴は?
河村さん
基本的に、日本茶系の品種を使って作られた紅茶は、渋みが抑えられたものが多いというのが特徴なんです。うちの「美濃いび茶」を使った紅茶も同様で、砂糖、ミルクなどを入れずにストレートで飲めるというのがいいところかなと思っています。飲んでいただければ分かると思うんやけど、口に含むと、ほのかな甘味が感じられるので、小さなお子様でもこれなら飲むことができるんじゃないかと。また、日本茶に慣れていらっしゃるお年寄りの方でも、馴染みやすい味なんじゃないですかね。
Q:
こちらの「和紅茶」。これからどんどん広がっていきそうですね。



河村さん
これまでは工場に直接買いに来てもらったり、イベントに出店したときにちょこっと売っていた程度なんやけど、今後はネット販売で全国の皆さんにお届けしていきたいと考えています。煎茶としても美味しい美濃いび茶でつくられた「和紅茶」は、日本人好みの味に仕上がっていると思うし、日本食や和食にも合うので、ぜひ日常生活でこの紅茶を飲んでもらいたいなと考えています。





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