• 岐阜県揖斐郡池田町。山のふもとの小さな町。のどかな日常。

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    田舎から、そのままのカタチで、全国に届けたい。

THE MILK SHOP


「おいしい」「たのしい」  「オシャレ」をコンセプトに

牛乳を世の中に再度広めていきたい。

岐阜県池田町に民家を改装した かわいらしい「THE MILK SHOP」がある。



そこは明治に創業し100年以上続く牛乳屋さんなのだ。
ショップのすぐ裏には牛乳を自社製造できる工場が併設。

牛乳屋さんといえば店の前には牛乳瓶ケースが積まれ、配達トラックが並ぶせわしい雰囲気を想像させるが、THE MILK SHOPは様子が違う。

店内は白を基調にし、緩やかにジャズが流れ、オシャレな牛乳瓶に入った牛乳やプリンが並び牛乳屋というより文字通りミルクショップという感じだ。

従来の牛乳屋を完全に逸脱している。



棚橋牧場5代目棚橋和也氏は言う。昔のように栄養価が高い飲料というだけでは振り向いてもらえない時代。

「おいしい」「たのしい」「オシャレ」をコンセプトに牛乳を世の中に再度広めていきたい。

今までの牛乳屋さんには無かった試みは多岐に渡る。
多数のイベント、フェスなどで出張販売したり、かわいくオシャレな直売ショップをオープンさせたり。

販売する商品のパッケージや瓶のデザインまで すべて自分たちで手がけている。

また、地元の小学生などに工場見学の開放する試みなど新たな牛乳への認知度を再構築しているのだ。

自社の牛乳が売れればいい。

という訳ではない。

自分たちで手がけた瓶には「THE MILK SHOP」とは記載しているが「棚橋牧場」とは入れていない。

なぜなら、牛乳は産地が近い方が新鮮なのが当たり前。
いずれその瓶を使って各地域の牛乳屋さんが地元で採れる新鮮で慣れ親しんだ牛乳を地元の人たちへ提供してもらえればと。

牛乳業界全体の盛り上げを考えているのだ。

小さな牛乳屋さんだからできるメリットを生かし各地域と手を組んで牛乳業界を盛り上げていきたい。
そんな思いが根底にはあるのだ。


大手には真似できない鮮度

牛乳の美味しさの一番の条件は鮮度だ。
牛乳の鮮度は搾乳してから製品になり出荷するまでの期間が鮮度となる。

量販店のように規模が大きくなると、どうしても売り切れましたが許されない。

そうなるとそれを回避するために やれることは1つ、牛乳をストックすることだ。

ストックとは早い話が、足りない場合に備えて余分に取っておくことで、その時使わなくても捨てるわけでなく次の出荷で使う。

必然的に搾乳してから製品になり、スーパーなどに並ぶまでの期間が長くなるので鮮度が落ちる。

THE MILK SHOPの場合、販売する量をあらかじめ決めて製品にするため、搾乳から製品になるまでが最短で常に新鮮な牛乳を販売できる。

お客様には申し訳ないが、 毎回売り切れごめんなのだ。



見えない事実

みなさん、お気づきだろうか?
牛乳は賞味期限しか数字は見えない。

しかし、その裏には見えない事実もある。

例えば、大手の殺菌方法は賞味期限を2週間ほど
持たせることができる。

THE MILK SHOPの殺菌方法だと賞味期限は5日間だ。

賞味期限が10日程度の大手牛乳と、
5日しかもたないTHE MILK SHOPの牛乳。
しかし、どちらも製造日は一緒だったりする。

THE MILK SHOPはストックを持たない為、
大手と比べて搾乳も新しく実ははるかに新鮮なのだ。

搾乳から製造までの最短化は
やはり大手ではできない最大のメリットなのである。




牛乳の特徴を決める殺菌方法

市場の大多数は賞味期限を長くするため130度の殺菌をしている。わずか1~2秒で済む。

大量に短時間に殺菌させるには合理的なのだ。
滅菌するため腐りにくく、様々な環境下での取扱いが安易で価格も安く提供できる。

しかしながら、殺菌高熱のせいでたんぱく質が編成し、やはり風味は格段に落ちてしまう。

THE MILK SHOPは昔ながらの製法を続けており80度で15分間の殺菌方法を守り続けている。

できるだけ生乳に近く風味が落ちにくく、 良い菌は残しつつ雑菌を死滅させることができるのだ。

昔、牛乳が一番普及していた時の製法なので、 懐かしさや牛乳らしさを感じる味でもあり、
お菓子の材料、カフェオレや紅茶などとの相性も抜群。



「あ、普段と違う!うん!この味!」

私自身、手に入りやすいスーパーでの牛乳は飲むのだが、 取材の際にTHE MILK SHOPの牛乳を頂くと、「あ、普段と違う!うん!この味!」と思わず声が出た。

素直に美味しいと思える懐かしい味だ。

最近は口コミなどもあり、徐々にファンも増え、 飲食店やカフェからのオーダーも増えてきたという。



おいしいだけでなく、たのしく、オシャレに。残念ながら、牛乳の消費は1996年をピークに減少の一途をたどっている。

その原因として日本の人口が減少していることや少子高齢化に加え、牛乳を含めた飲料市場が多様化し、 競合が激しくなったことなどが挙げられている。

それに伴い、販売店、メーカーの淘汰、 大手量販店の価格競争などで街の牛乳屋も減少している。

その波は100年以上続く棚橋牧場にも押し寄せている。

しかし、ピンチはチャンスのごとく新しいアイデアで、おいしいだけでなく、たのしい、オシャレを掲げ、 老舗だからこその使命感で新たな牛乳の価値を模索する。

棚橋和也氏は、語りながら実に楽しそうだった。

アイデアが次々と出てきて止まらないようだ。

どうやら、この岐阜県池田町のTHE MILK SHOPから牛乳業界を変える何かが始まりそうだ。



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